最貧の小国ハイチは、アメリカの覇権を脅かす存在
ハイチとキューバ沖は無限に石油を生成できる地理的特性を持っている。
半世紀以上も前に、ロシア人とウクライナ人の地球物理学者のグループが、国家機密で調査を行い、石油(炭化水素)は、死亡した恐竜の残骸が濃縮・圧搾され、何百年も前に何らかの形で石油やガスに変わったものだとする、米国など西側で定着している「主流」の地質学の主張を否定。
石油(炭化水素)は、地球のマントルの奥深いところで、極めて高温高圧の巨大な燃焼釜のような状態で、生成されていることを確認。
地球のマントルで生成される石油やガスは、地球の断層や裂け目に沿って、圧力が可能とする限り地上へと、押し上げられることを証明。
ということは、石油を発見する可能性とは、深い裂け目を発見したり、地球の奥底から石油を導管のように押し上げる複雑な地質活動を発見する可能性に他ならない。
カリブ海域(特にキューバ沖とハイチ)は、ちょうどそんな地域であり、地表近くまで上昇する道をみつけた炭化水素(石油、ガス)が集まる地域。
おそらくその規模は、サウジアラビアに匹敵する。
緊急援助活動を隠れ蓑にして、米国、フランス、カナダは、今後の鉱物資源の支配に向け、ハイチの島のバルカン化を図っている。
カナダは、現時点でカナダの鉱物利権が存在しているハイチ北部を所望しているという噂がある。米国は、ポルトープランスと少し沖に離れたLa Gonaive島を要求している。
この要求にフランスが苦々しく抗議しているそうだ。また、事実上、国連が占領したこの国で、国連の拒否権を持つ中国は、こうした米・仏・加によるハイチの財産分割に一言あるようだ。
日本は最貧の小国ハイチに巨大な資源が眠っていることさえ知らないのではないかと危惧する。
地震の前から、ポルトープランスの米国大使館は、世界中の米国大使館の中でも五番目に大きな規模であり、地政学的に重要な戦略地域であるベルリンや北京に匹敵するものだった。
ハイチのアリスティド元大統領の帰国など国民に人気のあるリーダーがハイチの国民のために資源を開発すれば、南北アメリカ大陸で最も貧しい国ハイチが、世界で唯一のスーパーパワーを吹き飛ばす壊滅的な打撃を与える可能性は十分にある。
http://tamekiyo.com/documents/W_Engdahl/geoprize.html
ハイチに膨大な石油資源(他の鉱物資源も)があることは「常識」だった。サウジアラビア並みの可能性あり。
米系石油会社は、1979年に意図的にハイチの石油開発を中止させた。石油を高く稀少品にしたい彼らにとっては、「大きな油田は発見できない」「石油産出量はピークを迎える」と信じこませたい。
2008年にキューバで「スーパージャイアント油田」が発見され、ロシアの会社が採掘している。中国も南米諸国に接近。→米国石油利権にとって脅威。
2004年に米国が追放したアリスティド大統領は、ハイチ国民のための資源開発を計画していた。現在南アに亡命しているが、米国が帰国を拒絶している。
ハイチ人が巨大な石油の自主開発に乗り出せば、ベネズエラのチャベスも反米、さらにロシアや中国と結び付くと、米国支配層(石油・金融利権)にとっては、その世界覇権を揺るがす脅威。だから放置するわけにはいかず、「災害援助」を偽装して占領している。
ハイチというアメリカ大陸最貧の小国に、アメリカの覇権を脅かすような深い意味があるとは…。
ベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、フランス、スイスの救援組織は、打ちひしがれ負傷し家を失ったハイチの人々が緊急に必要としている医療物資や飲料水を積んだ飛行機の着陸を、米軍が拒否していると非難している。
この不幸なカリブ海の国で発生している、いつ終わるとも知れない惨劇の煤煙と瓦礫の裏では、地球物理学者たちが(中東を除けば)世界で最も炭化水素(石油とガス)が豊富かもしれないと考えている地域の支配権をかけたドラマが全開状態である。おそらくハイチには、近傍のベネズエラよりも遥かに大規模な資源がある。
ハイチを含むヒスパニョラ島は、世界で最も地質学的に活発な地帯にまたがっている。これは地質学的な宿命である。三つの巨大な構造体の深海プレートが、互いに容赦なく凌ぎ合っている。北米プレート、南米プレート、カリブ海プレートの三つの構造プレートの交差点である。これらカリブ海域のプレートは、マントルの上に浮かぶ3~6マイルの厚みの海洋地殻である。また、ハイチは、奇妙で説明のつかない撹乱の発生するカリブ海の広大なエリア(バミューダ・トライアングルとして有名な地域)の端に位置している。
この巨大な水面下プレートの塊は、常に動き続け、割れて接着剤でくっつけた磁器の花瓶のヒビのような筋に沿って、互いに擦り合っている。地球の構造プレートは、一般的に一年につき50~100mm互いにズレるが、これが地震や火山の原因になっている。構造プレートが集中する地域は、地球のマントルから大量の石油やガスが押し上げられてくる場所でもある。地球物理学的に、三つのプレートが集中する場所(ポルトープランスの直下付近)では、1月12日にハイチを襲ったような破滅的・凶刃な地震が発生しやすくなる。
キューバの「スーパージャイアント油田」
米国政府が、疲弊したハイチの人々を救援することよりも別のことに大いに関心があるのではないかという疑問に対する答は、キューバ沖の海域近辺、ポルトープランスの真向かいに発見されている。2008年10月、スペインのレプソル(Repsol)社が率いる石油会社の共同事業体は、キューバの国営石油会社Cubapetroleoとともに、キューバ沖の深海に世界最大級の油田を発見したことを発表した。石油を専門とする地質学者の用語で、「スーパージャイアント油田」と呼ぶものだ。このキューバの油田は、200億バレルもの石油を埋蔵すると推定されており、1996年以来12番目の「スーパージャイアント油田」発見となった。この発見により、キューバは、ペンタゴンの不安定化・その他意地の悪い工作活動の高優先ターゲットにもなりそうだ。
キューバの「スーパージャイアント油田」発見から一ヶ月後に、ロシアのメドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が、ロシアの石油会社がキューバの石油探査・採掘をすることを、ラウル・カストロ(Raul Castro)大統領代行と合意するために、ハバナに飛んだことは、ワシントンに動揺をもたらしたに違いない。【脚注2】
メドベージェフのロシア・キューバ石油協定は、中国の胡錦濤国家主席が体調を取り戻しつつあるフィデル・カストロとその弟のラウルを訪問してから、ほんの一週間後のことだった。胡錦濤は、キューバの港湾を最新化する契約に調印し、キューバの原材料を中国が購入する話しをしている。巨大なキューバの石油発見が、中国のキューバ政策の大きなポイントになっていたことは間違いない。【脚注3】2008年11月5日、胡錦濤がキューバなどラテンアメリカ諸国を訪問する直前に、中国政府は、ラテンアメリカとカリブ海諸国との今後の外交関係に関する政策文書(このような文書は初めてである)を発表し、これら諸国との関係を戦略的重要性を備えた新段階に格上げした。【脚注4】
キューバの「スーパージャイアント油田」発見により、「石油ピーク論」信者も大いに面目を失った。ブッシュとブレアが、イラクを侵略・占領する決定をする少し前に、インターネットで石油ピーク論が流行していた。2010年以降のいつか、世界は絶対的な石油産出の「ピーク」に達し、以降、石油は減って社会的・経済的に甚大な影響をもたらすというストーリーである。引退した石油地質学者のColin Campbellや、テキサスの石油金融業者Matt Simmonsなど、華々しい評論家たちは、「スーパージャイアント油田」は1976年頃から一つも発見されていない、過去20年に発見された油田は、昔のサウジアラビア、プルドー湾(アラスカ)、大慶(中国)などと比べれば、実に「ちっぽけ」だと主張していた。【脚注5】
半世紀以上も前に、ロシア人とウクライナ人の地球物理学者のグループが、国家機密で調査を行い、炭化水素は、地球のマントルの奥深いところで、極めて高温高圧の巨大な燃焼釜のような状態で、生成されていることを確認している。炭化水素は、死亡した恐竜の残骸が濃縮・圧搾され、何百年も前に何らかの形で石油やガスに変わったものだとする、米国など西側で定着している「主流」の地質学の主張を反証したのである。もちろん、藻類など他の生物起源の物質でもない。【脚注6】
その上で、ロシアとウクライナの地球物理学者グループは、地球のマントルで生成される石油やガスは、地球の断層や裂け目に沿って、圧力が可能とする限り地上へと、押し上げられることを証明した。この仕組みは、火山の溶岩が生成される仕組みと同じである。ということは、石油を発見する可能性とは、深い裂け目を発見したり、地球の奥底から石油を導管のように押し上げる複雑な地質活動を発見する可能性に他ならないことになる。カリブ海域(特にキューバ沖とハイチ)は、ちょうどそんな地域であり、地表近くまで上昇する道をみつけた炭化水素(石油、ガス)が集まる地域のようだ。おそらくその規模は、サウジアラビアに匹敵するだろう。【脚注7】
1月12日の地震は、天然ガス田の可能性のある場所の近くを通る断層上で発生したと、地質学者のStephen Pierceは述べた。彼は、元モービル社などこの地で30年間働いている。地震により、断層沿いに岩盤組成にヒビが入った可能性があり、ガスや石油が一時的に地表に向けて染み出してくる可能性があると、月曜の電話インタビューで述べている。「地質学者たちが、断層帯をポルトープランスから国境に向けてガスや石油の漏出がないか調べまわっているが、今までに採掘されたことのない構造体を発見するかもしれない。彼ら地質学者には人情はないようだ」とZion Oil & Gas社(ダラスの会社でイスラエルでの採掘を行っている)の探査マネージャーのピアスは述べている。【脚注14】
地震災害の「救援」を偽装した米軍のハイチ占領は、ワシントンとそれにつながる私企業の利権に、第一級の地質学的な「褒美」を与えることになるだろう。地震の前から、ポルトープランスの米国大使館は、世界中の米国大使館の中でも五番目に大きな規模であり、地政学的に重要な戦略地域であるベルリンや北京に匹敵するものだった。【脚注17】キューバ沖で巨大な新油田が発見されロシアの会社が採掘を始めたこと、ハイチには同様の巨大な手付かずの石油(金、銅、ウラン、イリジウムも)がある明確な証拠が積み上がっていること、さらに、ハイチの南の隣人にはウゴ・チャベスのベネズエラがあること、アリスティドの帰国など国民に人気のあるリーダーがハイチの国民のために資源を開発する可能性があること、これらを考えれば、南北アメリカ大陸で最も貧しい国ハイチが、世界で唯一のスーパーパワーを吹き飛ばす壊滅的な打撃を与える可能性は十分にあるのだ。地震の余波として、国連ハイチ特使ビル・クリントンが、アリスティドの敵ジョージ・W・ブッシュとともに、「クリントン・ブッシュ・ハイチ基金」なるものを作った事実に、我々は戸惑いを感じるべきであろう。
先述のHLLNのMarguerite Laurentによると、緊急援助活動を隠れ蓑にして、米国、フランス、カナダは、今後の鉱物資源の支配に向け、ハイチの島のバルカン化を図っているという。彼女のレポートによると、カナダは、現時点でカナダの鉱物利権が存在しているハイチ北部を所望しているという噂がある。米国は、ポルトープランスと少し沖に離れたLa Gonaive島を要求している。ここは、アリスティドの開発計画の冊子によると、巨大な石油資源があるエリアだ。そして、この要求にフランスが苦々しく抗議しているそうだ。また、事実上、国連が占領したこの国で、国連の拒否権を持つ中国は、こうした米・仏・加によるハイチの財産分割に一言あるようだと、彼女は述べている。【脚注18】
半世紀以上も前に、ロシア人とウクライナ人の地球物理学者のグループが、国家機密で調査を行い、石油(炭化水素)は、死亡した恐竜の残骸が濃縮・圧搾され、何百年も前に何らかの形で石油やガスに変わったものだとする、米国など西側で定着している「主流」の地質学の主張を否定。
石油(炭化水素)は、地球のマントルの奥深いところで、極めて高温高圧の巨大な燃焼釜のような状態で、生成されていることを確認。
地球のマントルで生成される石油やガスは、地球の断層や裂け目に沿って、圧力が可能とする限り地上へと、押し上げられることを証明。
ということは、石油を発見する可能性とは、深い裂け目を発見したり、地球の奥底から石油を導管のように押し上げる複雑な地質活動を発見する可能性に他ならない。
カリブ海域(特にキューバ沖とハイチ)は、ちょうどそんな地域であり、地表近くまで上昇する道をみつけた炭化水素(石油、ガス)が集まる地域。
おそらくその規模は、サウジアラビアに匹敵する。
緊急援助活動を隠れ蓑にして、米国、フランス、カナダは、今後の鉱物資源の支配に向け、ハイチの島のバルカン化を図っている。
カナダは、現時点でカナダの鉱物利権が存在しているハイチ北部を所望しているという噂がある。米国は、ポルトープランスと少し沖に離れたLa Gonaive島を要求している。
この要求にフランスが苦々しく抗議しているそうだ。また、事実上、国連が占領したこの国で、国連の拒否権を持つ中国は、こうした米・仏・加によるハイチの財産分割に一言あるようだ。
日本は最貧の小国ハイチに巨大な資源が眠っていることさえ知らないのではないかと危惧する。
地震の前から、ポルトープランスの米国大使館は、世界中の米国大使館の中でも五番目に大きな規模であり、地政学的に重要な戦略地域であるベルリンや北京に匹敵するものだった。
ハイチのアリスティド元大統領の帰国など国民に人気のあるリーダーがハイチの国民のために資源を開発すれば、南北アメリカ大陸で最も貧しい国ハイチが、世界で唯一のスーパーパワーを吹き飛ばす壊滅的な打撃を与える可能性は十分にある。
http://tamekiyo.com/documents/W_Engdahl/geoprize.html
ハイチに膨大な石油資源(他の鉱物資源も)があることは「常識」だった。サウジアラビア並みの可能性あり。
米系石油会社は、1979年に意図的にハイチの石油開発を中止させた。石油を高く稀少品にしたい彼らにとっては、「大きな油田は発見できない」「石油産出量はピークを迎える」と信じこませたい。
2008年にキューバで「スーパージャイアント油田」が発見され、ロシアの会社が採掘している。中国も南米諸国に接近。→米国石油利権にとって脅威。
2004年に米国が追放したアリスティド大統領は、ハイチ国民のための資源開発を計画していた。現在南アに亡命しているが、米国が帰国を拒絶している。
ハイチ人が巨大な石油の自主開発に乗り出せば、ベネズエラのチャベスも反米、さらにロシアや中国と結び付くと、米国支配層(石油・金融利権)にとっては、その世界覇権を揺るがす脅威。だから放置するわけにはいかず、「災害援助」を偽装して占領している。
ハイチというアメリカ大陸最貧の小国に、アメリカの覇権を脅かすような深い意味があるとは…。
ベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、フランス、スイスの救援組織は、打ちひしがれ負傷し家を失ったハイチの人々が緊急に必要としている医療物資や飲料水を積んだ飛行機の着陸を、米軍が拒否していると非難している。
この不幸なカリブ海の国で発生している、いつ終わるとも知れない惨劇の煤煙と瓦礫の裏では、地球物理学者たちが(中東を除けば)世界で最も炭化水素(石油とガス)が豊富かもしれないと考えている地域の支配権をかけたドラマが全開状態である。おそらくハイチには、近傍のベネズエラよりも遥かに大規模な資源がある。
ハイチを含むヒスパニョラ島は、世界で最も地質学的に活発な地帯にまたがっている。これは地質学的な宿命である。三つの巨大な構造体の深海プレートが、互いに容赦なく凌ぎ合っている。北米プレート、南米プレート、カリブ海プレートの三つの構造プレートの交差点である。これらカリブ海域のプレートは、マントルの上に浮かぶ3~6マイルの厚みの海洋地殻である。また、ハイチは、奇妙で説明のつかない撹乱の発生するカリブ海の広大なエリア(バミューダ・トライアングルとして有名な地域)の端に位置している。
この巨大な水面下プレートの塊は、常に動き続け、割れて接着剤でくっつけた磁器の花瓶のヒビのような筋に沿って、互いに擦り合っている。地球の構造プレートは、一般的に一年につき50~100mm互いにズレるが、これが地震や火山の原因になっている。構造プレートが集中する地域は、地球のマントルから大量の石油やガスが押し上げられてくる場所でもある。地球物理学的に、三つのプレートが集中する場所(ポルトープランスの直下付近)では、1月12日にハイチを襲ったような破滅的・凶刃な地震が発生しやすくなる。
キューバの「スーパージャイアント油田」
米国政府が、疲弊したハイチの人々を救援することよりも別のことに大いに関心があるのではないかという疑問に対する答は、キューバ沖の海域近辺、ポルトープランスの真向かいに発見されている。2008年10月、スペインのレプソル(Repsol)社が率いる石油会社の共同事業体は、キューバの国営石油会社Cubapetroleoとともに、キューバ沖の深海に世界最大級の油田を発見したことを発表した。石油を専門とする地質学者の用語で、「スーパージャイアント油田」と呼ぶものだ。このキューバの油田は、200億バレルもの石油を埋蔵すると推定されており、1996年以来12番目の「スーパージャイアント油田」発見となった。この発見により、キューバは、ペンタゴンの不安定化・その他意地の悪い工作活動の高優先ターゲットにもなりそうだ。
キューバの「スーパージャイアント油田」発見から一ヶ月後に、ロシアのメドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が、ロシアの石油会社がキューバの石油探査・採掘をすることを、ラウル・カストロ(Raul Castro)大統領代行と合意するために、ハバナに飛んだことは、ワシントンに動揺をもたらしたに違いない。【脚注2】
メドベージェフのロシア・キューバ石油協定は、中国の胡錦濤国家主席が体調を取り戻しつつあるフィデル・カストロとその弟のラウルを訪問してから、ほんの一週間後のことだった。胡錦濤は、キューバの港湾を最新化する契約に調印し、キューバの原材料を中国が購入する話しをしている。巨大なキューバの石油発見が、中国のキューバ政策の大きなポイントになっていたことは間違いない。【脚注3】2008年11月5日、胡錦濤がキューバなどラテンアメリカ諸国を訪問する直前に、中国政府は、ラテンアメリカとカリブ海諸国との今後の外交関係に関する政策文書(このような文書は初めてである)を発表し、これら諸国との関係を戦略的重要性を備えた新段階に格上げした。【脚注4】
キューバの「スーパージャイアント油田」発見により、「石油ピーク論」信者も大いに面目を失った。ブッシュとブレアが、イラクを侵略・占領する決定をする少し前に、インターネットで石油ピーク論が流行していた。2010年以降のいつか、世界は絶対的な石油産出の「ピーク」に達し、以降、石油は減って社会的・経済的に甚大な影響をもたらすというストーリーである。引退した石油地質学者のColin Campbellや、テキサスの石油金融業者Matt Simmonsなど、華々しい評論家たちは、「スーパージャイアント油田」は1976年頃から一つも発見されていない、過去20年に発見された油田は、昔のサウジアラビア、プルドー湾(アラスカ)、大慶(中国)などと比べれば、実に「ちっぽけ」だと主張していた。【脚注5】
半世紀以上も前に、ロシア人とウクライナ人の地球物理学者のグループが、国家機密で調査を行い、炭化水素は、地球のマントルの奥深いところで、極めて高温高圧の巨大な燃焼釜のような状態で、生成されていることを確認している。炭化水素は、死亡した恐竜の残骸が濃縮・圧搾され、何百年も前に何らかの形で石油やガスに変わったものだとする、米国など西側で定着している「主流」の地質学の主張を反証したのである。もちろん、藻類など他の生物起源の物質でもない。【脚注6】
その上で、ロシアとウクライナの地球物理学者グループは、地球のマントルで生成される石油やガスは、地球の断層や裂け目に沿って、圧力が可能とする限り地上へと、押し上げられることを証明した。この仕組みは、火山の溶岩が生成される仕組みと同じである。ということは、石油を発見する可能性とは、深い裂け目を発見したり、地球の奥底から石油を導管のように押し上げる複雑な地質活動を発見する可能性に他ならないことになる。カリブ海域(特にキューバ沖とハイチ)は、ちょうどそんな地域であり、地表近くまで上昇する道をみつけた炭化水素(石油、ガス)が集まる地域のようだ。おそらくその規模は、サウジアラビアに匹敵するだろう。【脚注7】
1月12日の地震は、天然ガス田の可能性のある場所の近くを通る断層上で発生したと、地質学者のStephen Pierceは述べた。彼は、元モービル社などこの地で30年間働いている。地震により、断層沿いに岩盤組成にヒビが入った可能性があり、ガスや石油が一時的に地表に向けて染み出してくる可能性があると、月曜の電話インタビューで述べている。「地質学者たちが、断層帯をポルトープランスから国境に向けてガスや石油の漏出がないか調べまわっているが、今までに採掘されたことのない構造体を発見するかもしれない。彼ら地質学者には人情はないようだ」とZion Oil & Gas社(ダラスの会社でイスラエルでの採掘を行っている)の探査マネージャーのピアスは述べている。【脚注14】
地震災害の「救援」を偽装した米軍のハイチ占領は、ワシントンとそれにつながる私企業の利権に、第一級の地質学的な「褒美」を与えることになるだろう。地震の前から、ポルトープランスの米国大使館は、世界中の米国大使館の中でも五番目に大きな規模であり、地政学的に重要な戦略地域であるベルリンや北京に匹敵するものだった。【脚注17】キューバ沖で巨大な新油田が発見されロシアの会社が採掘を始めたこと、ハイチには同様の巨大な手付かずの石油(金、銅、ウラン、イリジウムも)がある明確な証拠が積み上がっていること、さらに、ハイチの南の隣人にはウゴ・チャベスのベネズエラがあること、アリスティドの帰国など国民に人気のあるリーダーがハイチの国民のために資源を開発する可能性があること、これらを考えれば、南北アメリカ大陸で最も貧しい国ハイチが、世界で唯一のスーパーパワーを吹き飛ばす壊滅的な打撃を与える可能性は十分にあるのだ。地震の余波として、国連ハイチ特使ビル・クリントンが、アリスティドの敵ジョージ・W・ブッシュとともに、「クリントン・ブッシュ・ハイチ基金」なるものを作った事実に、我々は戸惑いを感じるべきであろう。
先述のHLLNのMarguerite Laurentによると、緊急援助活動を隠れ蓑にして、米国、フランス、カナダは、今後の鉱物資源の支配に向け、ハイチの島のバルカン化を図っているという。彼女のレポートによると、カナダは、現時点でカナダの鉱物利権が存在しているハイチ北部を所望しているという噂がある。米国は、ポルトープランスと少し沖に離れたLa Gonaive島を要求している。ここは、アリスティドの開発計画の冊子によると、巨大な石油資源があるエリアだ。そして、この要求にフランスが苦々しく抗議しているそうだ。また、事実上、国連が占領したこの国で、国連の拒否権を持つ中国は、こうした米・仏・加によるハイチの財産分割に一言あるようだと、彼女は述べている。【脚注18】
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