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TPPに一旦参加したら外交上脱退は不可能、そして変更は極めて困難






米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官は「TPP参加の決断は前もってなされるべきだ。真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111029-00000287-yom-int

 米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官は閉幕後、一部記者団に対し「参加の決断は前もってなされるべきだ。真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」と述べた。

 これは交渉参加を検討中の日本政府・与党内にある、国益に合わなければ交渉途中で撤退すればいいとの「離脱論」をけん制し、政府の意思統一を図った上で参加を表明するよう促した発言だ。
10月29日(土)

前原氏の甘い見通しは、米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官の発言で砕かれた。
前原氏「TPP交渉参加後の離脱もあり得る」


(ケルシー教授)

TPPの中で私どもが一番問題だと考えているのは、協定は永続するということ。

いつになれば失効するという期限は設けられていない。
脱退は可能ですけれど、それさえも非常に難しい手続き。
外交上、そしてまた経済に与える影響も鑑み、脱退は難しいのです。

そして、一旦できあがった協定に関しては、規則や義務の変更は極めて困難。
全ての提案国が合意しなければ変更できないから。
そして、この協定の内容・義務は、提案国によって強制され、行使できるもの。


投資家が国家を支配できるようになる。=投資家対国家の紛争手続きも可能にした。

これは、国家対国家の権利の行使のみならず、提案国の投資家対国家の紛争手続きも可能です。
権利の行使が出来る=国際投資紛争解決センターに対しての投資家による提訴が可能だということ。
危機がおきた際にも、柔軟性を持って対応することができない。
そして、この21世紀を通して、後で何かを変えたいと考えても、もはやできなくなる。


紛争解決センターは投資家が有利な裁定を受けることができる。
(訴えられた国家は敗訴し、莫大な賠償金と制度変更を求められる)

決定された判断については、それぞれの提案国の国内の裁判所が行使、執行する。

この手続きはまず、本国以外のところで争われることになるということです。そしてこの紛争解決センターというのは、公開されていません。外部の人が入ることができないのです。
そして、そこで対象になっている文書も公開されません。また、そこで争われる内容、すなわち両者の法的な主張についても外部に公開されません。従いまして、このプロセスは、非常に秘密裏に行われる法的なプロセスです。

今回の投資家対国家の紛争解決手続きの中で謳われているのは、世界銀行の国際投資紛争解決センターこれはICSIDというのですけれども、ここで決定された判断については、それぞれの提案国の国内の裁判所が行使、執行するということも条件として加えられているから。

その仲裁内容、判断というのは、非常に高額になりうる損害賠償金。


投資家が国家を訴えた実例(米国企業VSメキシコ政府)

その結果は
メキシコ政府が米国企業に負け、1670万ドルの賠償金支払い。

 メキシコでは、地方自治体がある米国企業による有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、その許可を取り消した。すると、この米国企業はメキシコ政府を訴え、1670万ドルの賠償金を獲得することに成功したのである。


投資家が国家を訴えた実例(米国の燃料メーカーVSカナダ政府)

その結果は
カナダ政府が投資家に負け、環境規制を撤廃。

カナダは国民の健康と環境を守るために、神経性の有毒物質を自動車の燃料ガソリンに入れることを禁止していたんですが、これは米国では使っていい物質でした。

そこで米国の燃料メーカーはカナダに進出できないと言って北米自由協定に従ってカナダ政府に訴えたんですね。

実はそういう条項があって 「ISD条項」って呼ばれてます。

ISD条項を根拠に米国の燃料メーカー、企業がですよ、カナダの規制はけしからん、と訴えて、訴えた結果どうなったかというと、カナダ政府が負けたんです。で、環境規制を撤廃することになったんです。

つまり米国が狙っているのは自国民の健康や安全を守れなくなる、これが米国が狙っているグローバル化なんですね。ISD条項ってのは米韓条項でもねじ込まれているんですよ。日本人は米韓FTAはうらやましいとか言ってますが、実はねじ込まれちゃっているんですね。


投資家が国家を訴えた実例(アメリカのフィリップモリスVSオーストラリア政府)

たばこの販売に関して、オーストラリアは法律を改正しました。

オーストラリアがたばこに関して無地包装を要求するという法律を設定したわけでありますけれども、これは、マルボロというたばこを販売するアメリカのフィリップモリスというたばこ会社の知的所有権の侵害である、商標の侵害であるということで、直接当社はオーストラリア政府に対して提訴を行っています。

何百万ドル、何十億ドルという損害賠償を支払わなければならなくなる可能性がでています。




規制でがんじがらめの日本の各業界も、進出してきたグローバル企業の相次ぐ提訴で、日本に必要な規制が撤廃され、日本が崩壊してしまう。









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ジェーン・ケルシー教授 2011年7月13日

札幌講演会 議事録




議事録(未定稿)

【講演】
本日は、私の方からTPPがわれわれの国々にどのような影響を及ぼすのか
ということについて理解を深めて頂くために、話をする機会をいただいたこと
を感謝しています。
まず最初に、ホストでいらっしゃいますTPPを考える国民会議の皆様にお
礼を申し上げたいと思います。そして本日あたたかく北海道に迎えていただい
た皆様にお礼を申し上げたいと思います。そして最近の大震災が、両国に悲劇
をもたらしたわけでありますけれども、被災された地域の皆様にお見舞いを申
し上げたいと思います。
こういう時期であるからこそ、将来の課題をきちんと見つめて、そして将来の
ための正しい選択をすることが今まで以上に重要だと思います。
本日の内容についてですけれども、第一部においては、TPPといいます環
太平洋戦略経済連携協定の背景についてご説明申し上げます。そして、現在交
渉中、浮上してまいりました様々な問題点について第2部においてご説明申し
上げたいと思います。そして第3部におきましては、公衆衛生制度と日本郵政
ならびに農業の例に見る日本への影響についてご説明申し上げます。
TPPに関してまず理解をしなければならない点ですが、貿易だけに関する
協定ではないということです。このような貿易交渉という話になりますと、常
に関税の話である、あるいは商品、製品や食料品などの輸出入を制限するため
の交渉だと考えがちです。しかし、今回の交渉されている協定というのは、今
までの貿易交渉とは内容が違っています。推進者によりますと、これは21世
紀型の協定であり、今までの貿易協定よりも遙かに国境の枠組みを超えて踏み
込む国内措置をも包含するものであります。すなわち、通常は貿易の範疇に入
らないような政策や規制、国内のこれらの決定に関しても影響を及ぼす内容と
なります。現在、交渉に参加しているのは9ヶ国です。オーストラリア、ブル
ネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリ
カ、ベトナムです。
しかしながら、全てが平等というわけではありません。このTPP交渉の中
で、アメリカだけが突出した、圧倒的な経済大国という位置づけになっていま
す。経済大国としてアメリカが一番大きいだけではなく、アメリカにおいての
政治のプロセスによって、TPP交渉のなかで一番大きなてこ作用を発揮する
ことができる立場にあります。
アメリカにおきましては、協定は、米国議会の承認を必要とします。従いま
して、承認されるためにTPPの内容は、アメリカの商業的な利益に資するも
のでなければなりません。そしてまた、アメリカの市場において重要と思われ
る分野を保護する内容でなければなりません。
こういう背景が特別にあるので、

本日のプレゼンテーションの中では、アメリカのポジションについてかなり重
きをおいてご説明申し上げたいと思います。
TPPの交渉の現状を理解するためにも、今までの交渉の経緯をご説明する
必要があると思います。私が問題と感じますのは、メディアの方、そしてまた
論客の方などが、あたかもTPPがすでに存在している協定であるかのごとく
話がされることがあるということです。しかし、実際には、今までの既存の協
定をベースにした新たな協定という位置づけになります。実は、2005年に
チリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの間で締結された環太平洋
戦略的経済連携協定P4とよばれるものをベースにしています。
しかしながら、
このP4という協定の下では、投資ならびに金融サービスに関しては意見を収
斂させることが出来ませんでした。従って、この投資と金融サービスに関して
の規定は先送りになりました。
そしてその後、投資、金融サービスに関しての交渉を開始する際に、当時の
アメリカのブッシュ大統領がアメリカも参加したいと表明したのであります。
皆さん方よくご存じだと思いますけれども、アメリカの保険会社、銀行、金融
機関は、海外への進出をめざしています。しかし、この投資・金融サービスに
関する交渉が始まったちょうどその時に、世界的なグローバルな金融危機がお
きたのであります。
そして、当時の状況を振り返りますと、アメリカと当初の4ヶ国の間で、新
たな協定に向けて交渉が行われるということが明らかになってまいりました。
そして、アメリカは、投資・金融サービスのみならず、協定全体に関しての交
渉にも参加をすることを表明したのであります。そこから参加と言うよりも、
再交渉ということが行われることになりました。
その後、オーストラリア、ペルー、ベトナムも交渉に参加することを表明し、
そして少し遅れてマレーシアも参加を表明しました。そして、オバマ政権が新
たに誕生しました。オバマ大統領は、少し時間をかけてTPPのプロセスに参
加するかどうかを考える、という立場をとりました。そして、決定の内容とい
うのは、
参加するということになりましたので、
それから正式な交渉を開始し、
現在まで7回の交渉会合が開催されています。
では、次にこの交渉の背景にある目的は何かということをご説明を申し上げ
ます。
その2つの目的というのは、商業的目的と戦略的目的です。商業的目的という
のは、いわゆる従来型の領域に関するものです。たとえば、市場アクセスを拡
大する、関税を引き下げる、という目的があります。しかしながら、今申し上
げた目的というのは、現在交渉に参加している9ヶ国にとって重要なものでは
ありません。そもそも、この9ヶ国においては、ほとんど関税がかけられてい
ないからです。そしてこの9ヶ国の国々の間で、すでに既存のFTA自由貿易
協定が締結されています。たとえば、アメリカは、チリ、ペルー、オーストラ
リア、シンガポールと既にFTAを締結しています。オーストラリアとニュー
ジーランドは、ASEAN諸国とFTAを締結しています。既に先程申し上げ

たP4という協定もございます。そして残された関税というのは、いわゆるセ
ンシティブな重要品目でありまして、アメリカは決してこれらの関税について
譲歩することは考えられません。今申し上げた点は後で詳しくご説明申し上げ
ます。
では、従来型の商業的目的が背景にないということならば、目的は何かとい
うことを考えたいと思います。本質的にTPPというのは投資協定という位置
づけです。投資を自由に協定の提案国の間でできるようにしたい、との思いが
あるわけです。とりわけアメリカの投資家が海外において投資する際の制限を
取り除きたいと考えているのです。そして、提案国の中で自由に事業を展開す
る際の制約を取り除きたい、国内措置を取り除きたいと考えています。また、
外国の投資家が提案国の政府に対して、不満・不服に対しては訴訟手続きを行
うことが出来ます。この投資家の対国家の紛争解決手続きは、世界銀行の機関
であります国際投資紛争解決センターに持ち込まれます。しかし、このいわば
裁判所というような機関なんですけれども、秘密裏に非公開で審議されます。
そして、投資家に損害を与えたと紛争解決センターが見なした場合は、提案国
政府に対して何百万あるいは何十億ドルという損害賠償を求めることができま
す。
そして、もう1つの商業的な目的としては、サプライチェーンを通して他の
提案国に対して企業あるいは実業者が事業を展開することが容易になります。
このような形でサプライチェーンを通して事業を展開する際には、規制上の一
貫性が必要であることも本協定の中では謳われます。ですから、TPPの提案
国の間では、同様の規制、規制の調和が必要であることが求められます。たと
えば、食品に関しての規制、食品のラベル表示に関して、医薬品の許認可制度
について規制の調和を求められます。
この2点めは非常に重要であります。と言いますのも、商業的な目的に関し
ては、このTPPの中で検討されているものでは、大きなメリットは無いと言
えるからです。この戦略的目的というのは、昔の金本位制のような9ヶ月の間
での自由貿易協定、自由貿易圏を作りたいと考えています。このTPPがいわ
ば域内において1つのスタンダードとなって、そのスタンダードに中国・イン
ドや韓国などを参加させたいと考えています。これを達成するために、日本が
果たしうる役割は非常に大きいのです。日本がTPPの交渉に参加することに
よって、この交渉がより信憑性を持つことになります。従って、その他の新興
諸国が参加したい、より魅力的な内容になるからです。究極的な目標というの
は、APEC諸国全てを包含した、しかもインドも参加するFTA・自由貿易
圏を創設するということです。
なぜ、そのような目的を持っているのかということですが、中国の近年の台
頭によりまして、アメリカはアジアにおいての影響力が失われてきたというこ
とを懸念しているからです。アメリカはちなみに、ASEAN+3、つまり東
アジア自由貿易圏という日中韓の構想、あるいはASEAN+6というASE
AN+日中韓+ニュージーランド、インド、オーストラリアという交渉にも参

加していない、そしてまた、東アジア首脳会議にも参加していないということ
が背景にあります。従いまして、TPPにとりましては、戦略的な目的が商業
的目的と同等あるいはそれ以上に重要であるということです。こちらが、交渉
の作業グループのリストです。如何に複雑であるかということが、ご理解でき
るのではないかと思います。
3ページをご覧になって頂きたいと思います。今後のスケジュールですけれ
ども、現在は、非常に緩慢なペースで進んでいます。今年の11月にAPEC
の首脳会議がオバマ大統領の主催でホノルルで開催されます。そこで、大枠に
合意することを目標としていました。しかし、交渉のプロセスは、非常に複雑
であり、緩慢なペースでしか進んでいません。また、アメリカにおいては、国
内の事情もありまして、既に韓国、パナマ、コロンビアとFTAを締結してい
るものの、議会の承認が得られないという問題に直面しています。ですから、
11月までに合意に達するということは考えられません。そしてまた、来年に
持ち越された場合も、アメリカでは大統領選挙が開催されるという事情があり
ます。
ですから、敢えて物議をまもすような内容の協定案が議会に上程されるとい
うことは考えられません。だからこそ、このTPPがどういう意味をもたらす
のか、という示唆する内容について十分に理解を深めていく時間と余裕はある
ということです。
ではここで、
われわれの国にとってこのTPPが、
とういう意味を持つのか、
どういう問題点をはらんでいるのかということをご説明申し上げたいと思いま
す。
先程私は、TPPというものの本質は、投資協定だと申し上げましたけれど
も、その中で重要な要素となるのは、知的財産権です。アメリカの製薬会社、
あるいはエンターテイメントの企業、あるいはその他知的財産を輸出する企業
にとってこの知的財産権は重要な要件となります。今、ニュージーランドで問
題となっているのは、医薬品を政府によって安く入手できる仕組みになってい
るのですけれども、
それを担っている機関の将来がどうなるかということです。
このような制度があるからこそ、わが国の公衆衛生制度の下では安い医薬品を
国民に提供することができています。
しかし、アメリカの製薬会社は、アメリカの企業が決める価格でニュージー
ランドで販売したい強い要望を持っています。これは、本来、貿易協定の交渉
であったにもかかわらず、ニュージーランドにおいては、わが国の医療制度、
公衆衛生制度の将来についての議論まで広がってしまったわけであります。著
作権も重要な要素となっていまして、アメリカのポジションとしては、著作権
の報告期間をより長期にしなければならない、長い期間保護しなければならな
い、としています。
従って、出版物などを活用する図書館や教育機関は、より多く著作権料を支
払わなければならなくなります。さらに、インターネットから様々なファイル
をダウンロードする際にも、知的財産権の侵害であるので、刑事罰を科すこと

をアメリカの政府は求めています。そしてさらには、インターネットのサービ
スプロバイダーの責任も追及することが求められています。
この点に関しては、
アメリカ国内でも意見がわかれています。マイクロソフトに対して、グーグル
はよりオープンなアクセスを提供するべきと主張しています。
2点目も非常に重要な問題となっています。投資家の権利の問題、投資家対
国家の紛争権限、そしてまた、外資の制限を緩和することを求めています。
ニュージーランドにおきましては、土地の所有権に関しまして外資の持ち分
の上限が決められています。それを取り払わなければならないというプレッシ
ャーを受けています。さらには、漁業において、漁業権が確立されていますけ
れども、これも外資に開放すべし、ということが要求されています。また、国
有資産の民営化についても、外資の参入に対する制限を緩和することが求めら
れています。しかも、このTPPにおきましては、一旦決めたことに対しては、
元に戻すことができないという制約があります。
ニュージーランドにおきまして、過去において民営化された国有事業がある
んですけれども、それを失敗に終わった事例があります。たとえば、航空会社
の民営化、ならびに鉄道会社の民営化というのは、民営化され失敗したので、
また元に戻したという経緯があります。そしてまた、郵政の民営化を行いまし
て、しかしながら郵便貯金については、また新たな銀行を設けなければならな
いという必要性が生じました。ですから、一連の規制緩和をしたにもかかわら
ず、また規制強化をしなければならないことも間々ありました。
しかし、このような規制緩和の再規制や民営化を元に戻すというような取り
組みを、アメリカの要求を受け入れたならば、できなくなってしまいます。も
しも、そのような規制を再度強化してしまった場合には、他の提案国の投資家
が今まで投資した資産が損なわれた、あるいは利益が喪失したということで、
不服を先程申し上げました紛争センターに訴えることができます。この投資家
が直接提案国政府を訴えることが出来るのです。
実は、このような投資協定の内容違反ということについては、オーストラリ
アに事例があります。たばこの販売に関して、オーストラリアは法律を改正し
ました。オーストラリアがたばこに関して無地包装を要求するという法律を設
定したわけでありますけれども、これは、マルボロというたばこを販売するア
メリカのフィリップモリスというたばこ会社の知的所有権の侵害である、商標
の侵害であるということで、直接当社はオーストラリア政府に対して提訴を行
っています。何百万ドル、何十億ドルという損害賠償を支払わなければならな
くなる可能性がでています。
かなり詳細な事例を紹介させていただきました。けれども、それは、貿易協
定といえども、どれだけ私どもの国内政策や規制に影響を及ぼしうるのか、と
いうことをご理解頂くためです。
当然のことながら、農業を取り巻く問題もたくさんあります。実は、農業問
題に関しましては、TPPの交渉の中で、本格的な議論が行われていません。
ニュージーランド、オーストラリアに関しましては、全ての提案国が拘束され

る1つの共通のルールが必要だということを主張しています。しかしアメリカ
は、国別に違ったルールを設けたいと主張しています。アメリカの基本的な考
え方というのは、他の提案国には全ての障壁を撤廃してもらいたい、制約を取
り除いてもらいたい、しかし、アメリカ国内においてのセンシティブな重要な
分野については徹底的に保護するという方針です。たとえば、アメリカとオー
ストラリアの間のFTAにおきましては、アメリカ側は砂糖に関しては一切譲
歩しませんでした。今のは、FTAではなく交渉の中で砂糖については一切譲
歩しないという立場をアメリカはとってまして、
ニュージーランドに対しては、
乳製品については一切譲歩しないという姿勢をとっています。しかし、この交
渉に参加する他の国々に対しては、一切そのような例外を設けないことが明ら
かになっています。
だからこそ、先程申し上げましたように、アメリカがこの交渉の中では、圧
倒的な影響力をてこ作用のように持っているわけであります。それは、たとえ
協定が締結されてもアメリカ議会の承認を取り付けなければなりません。しか
し、アメリカの議員にとって重要な支持基盤である農業ロビーの影響力が非常
に大きいといえます。さらに、規制上の調和、一貫性をアメリカは強く主張し
ています。それが及ぶ分野というのは、たとえば検疫や食品表示、遺伝子組み
換え作物などです。すなわち、アメリカの食品産業、そしてまた輸出産業にと
ってスタンダードとなっているものをそのままこの協定のなかに反映させたい
と考えています。
今申し上げた点については、オーストラリアとニュージーランドは反対して
います。 そしてもう1つ非常に重要な問題として浮上してきているのが、そ
れぞれの提案国においての国家貿易企業の役割についてです。これらの国家貿
易企業というのは、シンガポール、ベトナムにとって非常に重要な問題です。
また、同様に日本にとっても重要だと考えます。カナダは、実は交渉には参加
できない状況に置かれています。それは、農業分野においての乳製品そしてま
た家禽などに関しての国家貿易企業を本協定の対象から除外したいという姿勢
を崩さないからです。同じことが日本に対しても要求されることになります。
では、今わかっている限り、日本がこの交渉に参加した際に何を要求される
かということをご説明申し上げたいと思います。毎年アメリカの通商代表部U
STRは各国の貿易障壁に関する報告書をだしています。
この貿易障壁については、撤廃を要求するという立場をとっています。20
11年のアメリカの報告書によりますと、アメリカの日本に対する要望で最も
重要視されているのは、サービスと投資であることは明らかです。そして、知
財権から得られる収入も拡大したいと考えています。
次に、2011年の報告の中に書かれている貿易分野に関してのアメリカの
要望です。農業の分野に関しましては、米、豚肉、牛肉、小麦の輸入制度、関
税率に関して撤廃をする、あるいは緩和することを求めています。そして、ま
た、検疫や食品の安全性に関しての規制の改革を求めています。その中には、
BSE牛の輸入についても緩和することを求めています。それのみならず、ア

メリカの企業、アメリカの投資家が日本の国外から日本に対して提供するサー
ビスについても様々な要望をだしています。さらには、政府調達、知的財産、
投資規制などについての要望も打ち出しています。しかし、その中でも一番重
要視している分野というのは、競争と透明性です。競争というのは、アメリカ
企業が日本において日本の企業と同様に公式、非公式な障壁なく自由に事業を
運営できるということです。そして、透明性というのは、アメリカの企業がそ
れぞれの事業に影響が及ぶと考えられている分野の諮問委員会あるいは政策立
案過程の審議により影響力を及ぼすことができるようにするというものです。
今申し上げましたようなことが担保されるような内容がTPPの競争と透明
性の章の中に謳われています。
日本の公衆衛生制度に対する影響をご説明申し上げたいと思います。
これは、
公衆衛生制度の社会的役割とは無関係のものです。保険市場における純粋に商
業的な活動としての位置づけになっています。対象領域となるのは、例えば日
本の私立の病院においての外資規制を撤廃するということです。いわゆるPP
P(パブリック・プライベート・パートナーシップ)やPFI(プライベート・
ファイナンス・イニシアチブ)などで設立される病院やその他に関しまして、
アメリカの企業が同条件で入札に参加することを可能にしたいと考えていま
す。インターネットを通して医療サービスを提供する権利も求めています。そ
れは、国境を越えた保健サービスも含むものです。そしてまた、医療機器や医
薬品に関しての診療報酬制度を改定し、よりコストを日本において高くするこ
とを要求しています。国外からの血液製剤の輸入に関しての規制緩和、そして
BSE牛肉の輸入制限緩和ならびに食品表示に関しても緩和を求めています。
医療制度においての民間の資本の参入を緩和し、アメリカの保険会社などの事
業を拡大することを求めています。
TPPの中で私どもが一番問題だと考えているのは、提案国の主権と民主主
義に関する問題点です。協定の文書では、協定に署名するまで非公開です。一
部リンクしている内容もありますので、それは私どもで分析していますけれど
も、その他は出来る限りの周辺での情報収集、手探りの情報集めをしなければ
なりません。もう1つ重要なのは、協定は永続するということです。いつにな
れば失効するという期限は設けられていないのです。脱退は可能ですけれど、
それさえも非常に難しい手続きとなります。外交上、そしてまた経済に与える
影響も鑑み、脱退は難しいのです。
そして、一旦できあがった協定に関しては、規則や義務の変更は極めて困難
です。全ての提案国が合意しなければ変更できないからです。そして、この協
定の内容・義務は、提案国によって強制されるものです、行使できるものです。
しかしこれは、国家対国家の権利の行使のみならず、提案国の投資家対国家の
紛争手続きも可能です。権利の行使が出来る、先程申し上げましたとおり、国
際投資紛争解決センターに対しての投資家による提訴が可能だということで
す。危機がおきた際にも、柔軟性を持って対応することができません。そして、
この21世紀を通して、後で何かを変えたいと考えても、もはやできなくなる

のです。
以上のような状況であるにもかかわらず、日本にとってのメリットはなんで
しょうか。1つは、他の提案国に対して日本の企業はよりアクセスを拡大する
ことができるといわれています。そして、他の提案国に対して投資をする日本
の企業投資家にとっては、より権利が保護されることになります。しかし、現
実には、日本はアメリカを除くほとんどのTPPの現在の交渉参加国と貿易協
定を有しています。協定を有していると言うよりも、そのマーケットに日本は
既に十分なアクセスができているということで、ただ、TPPにおいて日本が
さらにアクセスできるかということに関しては、とりわけアメリカの機微な分
野に対するアクセスはできません。また、日本は、TPPの交渉に参加する際
には、更なる追加的な譲歩を強制されることになります。そして、先程から申
し上げましたいろんな問題があるわけですが、全てを交渉のテーブルに出すこ
とを要求されます。
2つ目の、
日本が参加する動機として、
あるいは理由として考えられるのは、
アジア全域を網羅するFTAのプラットホーム創設ということがあげられるか
もしれません。
しかし日本は、
現実にはもう既にASEAN+3がありますし、
ASEAN+6があります。このTPPによって、どういう追加的なメリット
が得られるのでしょうか。
3点目は、商業的な理由ではありません。日米間の戦略的関係を強化すると
いうことが期待されているのかもしれません。しかし、この4つの中で1番重
要なのは、4つめのポイントだと思います。これを私は一番よく耳にしていま
すし、今日のニュージーランドのマスコミ報道の中でも強調されていました。
この4つ目というのは、政治的に実現が難しいと思われる日本国内の再編を
秘密裏に押し進め、
政策として既成事実として固めるということです。
しかも、
この協定というのは、拘束力を持ちそして権利が行使される内容となっていま
すので、将来の新しい政権が内容を覆すということはできなくなります。
ご参考になりましたでしょうか。後で皆様方のご質問にお答えしたいと思い
ます。

【質疑・討論】
(質問者)
外資の漁業権の参入について伺います。今、宮城県では、民間の漁業者が漁
業権に参入することを特区を設けて考えていると思われます。それとTPPが
組み合わせることによってもたらされる問題点はどんなことがあるのか、ニュ
ージーランドでおきている漁業権の外資の参入の問題点は何か伺います。

(ケルシー教授)
ご質問ありがとうございます。実は、今いただいた質問は、昨日仙台でも議
論した内容です。実は、1986年にニュージーランドでは、漁業権に関して
民間への開放を行っています。その結果、零細な漁業事業、漁師の権利という

のは、商業権としては確立されなくなってしまい、大きな企業に集約されるこ
とになりました。
そして、このような漁業権というのは、投資ということとしてTPPの脈絡
ではみなされますので、投資であるが故に保護の対象となります。そして、こ
のような漁業の企業あるいは加工工場に外資が参入していたならば、TPPの
協定で投資家としての保護を受けることができます。そして、先ほど申し上げ
ましたこの内容、権利というのは、投資家対国家の紛争解消手続きに付される
ことも可能です。
また、ルールによりまして、漁業権に関しても日本の企業と同等の権利を外
資にも与えることを要求されると思います。
このような漁業権に関しましては、
後に日本の漁業の状況を考え、そしてまた、地域社会の状況を考えルールを変
えたいと提案国政府が考えていても、
それは変更ができなくなってしまいます。
ルールの適用外という領域を提案国政府がリストアップすることも可能です。
しかし、その内容というのは、交渉の対象となります。ニュージーランドの法
律によりますと、漁業権に関しましては、外資1社は20%以上持ってはなら
ないとしています。しかし、この制約も緩和するよう圧力を受けているところ
です。
この投資協定に関してのもう1つ重要なポイントなんですけれども、例外措
置として扱ってほしいものに関しては、全てリストアップしなければなりませ
ん。しかし、この漁業権というのは、協定の交渉に参加する後で決まることが
あります。ですから、先見の明を持って最終のリストに加えていればいいんで
すけれども、後で出てきた内容というのは、対象外となります。ですから、魔
法の水晶の玉があればいいんですけれども、それがないと私は位置づけていま
す。

(質問者)
日本人の多くは裁判に慣れていないのですが、紛争解決センターで外国人が
訴えると英語が公用語になってしまうと圧倒的に不利になってしまうのではな
いでしょうか。


(ケルシー教授)
言語以上に大きな問題はたくさんあると思います。この手続きはまず、本国以外のところで争われることになるということです。そしてこの紛争解決センターというのは、公開されていません。外部の人が入ることができないのです。
そして、そこで対象になっている文書も公開されません。また、そこで争われる内容、すなわち両者の法的な主張についても外部に公開されません。従いまして、このプロセスは、非常に秘密裏に行われる法的なプロセスです。

アメリカについては、NAFTAという北米自由貿易協定がありますけれど
も、その中でも物議をかもした内容となっています。このような権限を強く要

求しないようにというプレッシャーがオバマ大統領にも寄せられています。ま
た、オーストラリアとアメリカの自由貿易協定においては、オーストラリア政
府が拒否することが可能でした。そして、TPPの中でも、受け入れないとい
うことを主張しています。ニュージーランド政府の立場は、議論の用意はある
というということです。しかし、今申し上げたようなこの投資家対国家の紛争
解決手続きが入っていない内容の協定であれば、アメリカの議会の承認を取り
付けることは難しいと思われます。
実は、もう1つ触れておきたいのですが、日本は既に締結している自由貿易
協定の中にも、この権限が網羅されているものがあります。実は、日本郵政の
民営化について、私は深く研究をさせていただきましたけれども、日本・シン
ガポールの自由貿易協定の中にある条文によって海外の金融機関が日本民営化
を否定する、それを逆転させることを可能とする内容が含まれています。しか
し、それは、さらにTPPになればリスクがより大きくなるということです。
アメリカの企業は、皆さんもよくご存じのように大変訴訟が好きです。

(質問者)
投資家が国を訴えることができるというのは、逆に言うとアメリカがよく今
までも問題にされてきたダンピング協定とアメリカが一方的に外国企業に対し
制裁を科すということに対する逆の面のことなのかと理解できるのですが。

(ケルシー教授)
私はいつもサービスと投資の分野の研究をしていますので、アンチダンピン
グの話がでるととてもナーバスになってしまいます。その両者を比べると、む
しろ今回、投資家に与えられる権利の方がより強力なものだと思います。今回の投資家対国家の紛争解決手続きの中で謳われているのは、世界銀行の国際投資紛争解決センターこれはICSIDというのですけれども、ここで決定された判断については、それぞれの提案国の国内の裁判所が行使、執行するということも条件として加えられているからです。その仲裁内容、判断というのは、非常に高額になりうる損害賠償金です。

(質問者)
私どもは、米を無農薬で作っている農家から直接買っている団体です。食の
安全が脅かされるようで心配でなりませんが、ニュージーランドでは、安全な
お米とか食品に関しまして、それを守るためにどのようになさっているのか教
えてもらいたい。

(ケルシー教授)
競争原理が働いているそれぞれの市場において、食の安全性を確保すること

は、非常に難しい問題だと思います。私どもの国の食品安全基準、そしてまた、
食品表示についても、様々な物議をかもしています。とりわけ、遺伝子組み換
え食品ならびに食品についてのトレーサビリティが問題視されています。
そしてもう1つは、ニュージーランドとオーストラリアの間で食料安全基準
が整合化されているということに起因する問題があります。すなわち、整合化
されているハーモナイゼーションされているので、ニュージーランドが自国民
のために決定できる権限に制約を受けているのです。とりわけ、効率性を高め
るために、食品会社あるいは流通業者などが表示に関しての、あるいは規格に
関しての整合性を求めています。従いまして、最近、ニュージーランドの緑の
党の国会議員の方々と食の安全性をTPPの骨格の中でどのように位置づける
のかということについて、更なる研究が必要だということを議論しています。
これからTPPに関しましても、無農薬や有機栽培などの食品を対象として
いる消費者団体などは、対象の国となっている、例えばマレーシアも積極的に
この問題を取り組んでいるので、連携を深めて話し合っていくことが重要だと
思います。

(質問者)
なぜ、紛争解決機関が秘密主義ということがあるのですか。透明性を要求す
る傍らで秘密、こんな国際協定は認められるのか、理解できません。

(ケルシー教授)
1つ1つの言葉の持つ意味が従来の考え方とは乖離してきたということだと
思います。ただこのように、投資家が国際協定の中で権利を行使するという手
続きは、新しいものではないのです。
二国間貿易協定というのは、何十年もの歴史を持っています。ただ、例えば
建設などに関しての紛争などで扱われてきたという経緯があります。そして背
景と致しましては、植民地時代の宗主国が植民地が独立する際に自分たちの権
利を守るために文言を入れたっということに遡るのです。そして、このような
文言をより協定に盛り込む、またFTAのなかに盛り込むという傾向がますま
す増えてまいりました。そして今では、より豊かな国もこの紛争の対象となっ
てしまうということがより明確になってまいりました。
アメリカ、メキシコ、カナダというNAFTAの協定にも、この権利が謳わ
れていまして、それが一番最近の明らかな事例だと思います。様々な紛争が起
き、それが大きな物議をかもしている状況となっています。しかし、いったん
協定の中で、1つの構想が決定してしまいますと、とりわけ大企業の利益が絡
んだ際には、もはや元に戻ることはできない、修正はできなくなるのです。
今いただいたような質問は、多くの方も疑問に思っている点です。しかしな
がら、大きな協定の流れのなかでは、もはや身動きがとれない状況になってし
まっているということです。
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